若い頃の苦労は買ってでもせよ のウソ

自分が年をとってよくわかることは、

 

大人の言う事は自分が大人になった後から理解できる。

 

とうこと。

 

「若い頃の苦労は買ってでもせよ」ということわざがありますが、自分は幼少期によく母に言われました。

若い時の苦労は買ってでもせよ - 故事ことわざ辞典

 

単純に考えれば苦労と人間的な成長・成功に相関があるなんてことは誰も証明していないし、世の中にはむしろ苦労しても成功しない人の方が圧倒的に多いので、苦労したから成功するというのは夢物語です。

若い事はこの言葉の意味を理解できず過ごしていました。

 

まず「苦労」とは何か?

苦労の定義ですが、ここは曖昧すぎるので、もし苦労 = ストレスにしてしまうと、

 

億万長者の99.9%がパンを食べた事があるのでパンを食べればお金持ちになる

 

というようなしょーもない結論になるので、具体的な「苦労」の代表的な例として

  • 貧乏な家庭で育った事
  • 努力しても結果が出ず評価されない事

の2つをを取り上げます。

 

貧乏な家庭の育つ苦労は子供にとってマイナス

貧乏、つまり親の年収が子供の成長にとってマイナスにはたらいていると言うデータは多方面から出てきています。

 

所得が高い家庭のほうが子どもの成績がよいという傾向があることだ。これは、塾に行かせたり家庭教師を雇ったりという補助的な教育の差よりも、高所得の親は子どもの将来のキャリアに対する確かな見通しを持っている点が大きい。小さいうちから子どもをしつけ、動機づけをしていくことが、家庭で比較的できているということだ。逆に言えば、所得が低い家庭では、こうした子どもへの動機付けが欠けているということになる。

 

「所得格差」が「教育格差」を生む冷酷な現実(1/7ページ):nikkei BPnet 〈日経BPネット〉

親の年収が子供の教育の格差に影響していると言う事は、今や常識レベルの事ですね。

 

年収が低い区ほど低学年児童の虫歯率が高い傾向にあります。相関係数は-0.8349にもなり大変強い相関関係です。地域単位のデータですが、貧困と虫歯の結びつきのマクロ的な表現といってよいでしょう。

 

TOKYO虫歯率マップ 東部「真っ黒」都心部「真っ白」

虫歯(健康)にも影響が出ているというデータもありました。

 

努力しても結果が出ず評価されない事

努力が成果にならない時は、努力の仕方が間違っているか、運がないだけです。

 

 メジャーリーガーのダルビッシュ投手のツイートですが、恵まれた体格を持ち才能のあったダルビッシュ投手ですら、頭を使って(意味のある)練習する事の必要性を発言しています。つまり間違った練習方法ではどんなに頑張っても無意味ということです。

 

苦労を乗り越えて成長することに大きな価値がある

何かに挑戦する時、すべてが上手く行く事は稀です。ほとんどの場合壁にぶつかる事があるでしょう。壁が越えられずもがき苦しんでいる時、それを乗り越えるように試行錯誤するという経験は自分を成長させてくれます。

 

挑戦 ▶︎ 出来ない状態(苦労) ▶︎ 試行錯誤 ▶︎ 出来る状態(成長)

 

という過程を身をもって経験した事は人生のあらゆる場面で役に立ちます。

 

大人になってわかった「若い頃の苦労は買ってでもせよ」の本当の意味は、苦労そのものが大事なのではなく、

若い頃に苦労を乗り越え成長した経験が自信や財産になるということです。